第24回開催レポート

TOP月例会第24回開催レポート

開催日時

2024年08月26日(月)18時〜21時

場所

シソーラス株式会社長野DXセンター

プレゼンテーター

テーマ

「共助のコミュニティのキャプテンを育てるFCIの挑戦」

参加人数

45名

今回は、FC今治高等学校里山校校長 辻正太氏をお迎えし、「共助のコミュニティのキャプテンを育てるFCIの挑戦」をテーマにお話しいただきました。

FC今治高等学校里山校は、サッカー日本代表の元監督である岡田武史氏が学園長を務め、世界の歴史を動かすキャプテンシップを持った人材「ヒストリック・キャプテン」の輩出に挑戦している学校です。

辻氏は、青森県で大学生と共にまちづくりを行い、コミュニティづくりをしてきた経験がありましたが、まちづくりを続ける中で目的を見失いかけていたそうです。しかし、そのタイミングで岡田武史氏のFC今治を中心としたまちづくりの活動を知り、この出会いをきっかけにFC今治高等学校の校長を務めることが決まったそうです。

「物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」というFC今治の企業理念のもと、FC今治高等学校でも生徒自身のやりたいことを尊重し、感情の共有ができる共助のコミュニティづくりに取り組んでいるとのこと。

また、教員のことはコーチと呼び、指導ではなく生徒のやりたいことの補助をするよう徹底しているそうです。コーチと生徒が本当の意味で対等な関係であり、生徒が今までの当たり前に囚われず、夢中になれることを見つけてとことんやれる環境を提供しているそうです。
さらに、FC今治高校里山校では、学校の中だけに留まらず地域や自然環境の中で体験し、学び合うという特徴があります。生徒たちが自ら計画し、協力して生き抜くお遍路を行ったり、休日は生徒が地域の行事に参加したりするそうです。

高校生が自ら地域に参画することや、過酷な自然環境の中で自ら考えて行動することで、想定外、板挟み、修羅場と向き合い、自ら決断し、乗り切る力を身につけることが出来るとお話されました。

与えるものを減らし、週の半分ほどを座学ではない実践の時間にし、自然災害の多い中でも、命をつなぐために生きることの本質を問い、実践するという事を大切にしていると話されていました。

このようなロールモデルの無い、新しい教育を行うFC今治高等学校では、自分の言葉で喋ることが出来る、主体性のある人材が育つと仰っていました。

辻氏は、今治市内の中学校からの推薦がゼロであることを課題とし、地元の人たちへの丁寧な説明をしていく必要があるとお話されました。また、教員同士のコミュニケーションや運営が難しく、教育方針の共有も今後の課題であるそうです。