第23回開催レポート

TOP月例会第23回開催レポート

開催日時

2024年07月08日(月)18時〜21時

場所

シソーラス株式会社長野DXセンター

プレゼンテーター

テーマ

「アジアが世界を牽引する時代。日本が明るい未来を描くヒント。」

参加人数

45名

今回は、アジアイノベーション大学理事長 千本倖生氏と、一般社団法人Arc&Beyond代表理事 石川洋人氏をお迎えしました。

はじめに、アジアイノベーション大学理事長 千本倖生氏に「アジアが世界を牽引する時代。日本が明るい未来を描くヒント。」をテーマにお話しいただきました。

千本氏は今回のプレゼンテーマに対し、世界を変えるには4つのキーワードしかないとお話しされました。
それは、
①生成AI
②半導体
③グリーン
④アントレプレナーシップ
この4つです。
そして、世界を牽引する日本になるために、まずは世界を見て、世界を知ることが必要であるとお話しされました。千本氏自身、月に2度程海外へ行き、現在の世界の様子や変化にアンテナを高く張っています。これまで、世界の様々な国を見てきた千本氏は、県立大学は世界的に見てもとても良い大学だとお話されました。

ソニー・プルデンシャル生命保険(現ソニー生命保険)を設立し、ソニー株式会社の代表取締役社長を務めたアントレプレナーである安藤国威氏を、県立大学理事長に迎えたことが長野県への大きな恩恵であると話されました。

県立大学にはグローバルな学部があり、アントレプレナーシップやグリーンについて教えています。
また、大学の校舎についても、100%グリーン電力で運営されています。

100%自然エネルギーで運営されることを「RE100(Renewable Energy100%)」といい、RE100の大学は日本の中でも珍しいそうです。このような県立大学の特徴は、日本の中でも誇るべきだとお話されました。

一方、半導体については台湾が先端であり、台湾の国立交通大学での教育が先進的だそうです。
その点、日本はまだまだ追い付いておらず、世界のトップを狙っていく必要があると話されました。

そこで、県立大学も国立交通大学のように半導体についての教育を強化していくべきだとお話されました。さらに、グローバルで通じる人材育成のために、英語を話せることが重要だと話されました。重要なのは発音ではなく、英語を道具として使い、“何を話すか”であると仰っていました。

また、人生には重要な出会いの瞬間があるとお話されました。千本氏がKDDIを設立するきっかけは、たった30分の出会いだったそうです。そのような短い出会いを逃さないことが、人生を変えるきっかけになり得ると話されていました。

最後に、人生の目的とは「自分が生きる前の世界の状態と、自分が死んだ後の世界の状態を見たとき、社会がたった1ミリでも良くなったら、その貢献が自分の生きた意味である。」とお話されました。

長野県という可能性の多いプラットフォームで、リスクを負っても、社会に役立つ為に沢山チャレンジしてみることが大切であるとお話しくださいました。

後半は、一般社団法人Arc&Beyond 代表理事 石川洋人氏に、今年4月に設立されたArc&Beyondについてお話しいただきました。

一般社団法人Arc&Beyondは、社会課題を解決する新しい方向を考えることを狙いとし、設立されました。
石川氏は2015年より、Takeoff Pointの社長として米国西海岸にてスタートアップや一般企業の新規事業のビジネス支援、起業に関する人材育成のサービスを提供する新会社を設立しました。

Takeoff Pointでは、ソニー株式会社の持つ資産を活用し、Disconnected Youthという、何らかの事情があり学校に通う事や仕事に就くことが出来ず、社会との関係が途切れてしまった子供たちへの支援事業を行っています。しかし、この事業は社会的利益が大きい反面、金銭的利益を生むことが難しいというジレンマがあり、そこからArc&Beyondの立ち上げに至ったとお話されました。

石川氏は、社会的ニーズがあるのに利益が出ないことで事業創出、事業継続を諦めてしまうこと、利益創出と社会貢献のどちらかではなく、両方を生み出す仕組みがあっても良いのではないかということの2つを課題とし、新法人を設立したと仰っていました。

そして、立ち上げた法人では、「挑もう。みんなで。新しい方法で。」をテーマにしているとのこと。社会課題は一社では解決できず、いろんな人がみんなで取り組む必要があると考えているそうで、敢えて持ち分が無く株主の居ない非営利型の一般社団法人という形をとり、将来的にはコンソーシアム的に事業をつくっていくことを見据えているとお話されました。

またArc&Beyondでは、
・事業評価を経済的価値と社会的価値を足し合わせた上での評価にすること
・お金の流れに社会的価値を現金化した仕組みを導入すること
・技術やリソースを持った企業に拠出してもらい活用するという取り組み方にすること
の3つの変化を加え、取り組んでいきたいと話されていました。