2020.04.08

『地域共創ラボ』イノベーション創出プログラム2019開催報告

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2019年秋、長野県長野市に開設された『地域共創ラボ』。地域経済や社会を支える民間企業・金融機関・行政機関など、多様なプレイヤー同士のコラボレーションを促し、ITの力も活用したイノベーション創出を目指す地域の拠点となっています。

2019年10月~2020年3月には、『地域共創ラボ』による第一歩目の取り組みとして「イノベーション創出プログラム」を開催、長野で活躍する様々な方々にご参加いただきました。

今回は初年度の『地域共創ラボ』を振り返りながら、あらためて「地域共創ラボはどんな場なのか?」や「地域共創ラボに参加するにはどうすれば良いのか?」という疑問を解決していきます。

『地域共創ラボ』は、多様な人たちでまちの未来を描く場

『地域共創ラボ』は、まちの未来を描き、ITの力でイノベーションを生み出していく拠点です。色んな人たちが暮らす「まち」だからこそ、垣根を超えた様々なプレイヤーのコラボレーションが欠かせません。

『地域共創ラボ』は、こうした多様なセクターの人たちによる共創から、「かせぐまちづくり」と「イノベーションの創出 」を実現すべく開設されました。長野県を皮切りとして、全国各地への展開も見据えています。

『地域共創ラボ』を主催するのは、「NICOLLAP」と「日本ユニシス」 。「NICOLLAP」(一般社団法人 長野ITコラボレーションプラットフォーム。略称:ニコラップ)は、長野県の掲げる「信州ITバレー構想」を実現しようと立ち上げられた一般社団法人です。

そして、NICOLLAPの理事でもあるIT企業「日本ユニシス」は、長野県・長野県立大学と連携協定をむすび、長野県を重点地域のひとつとしてソーシャル・イノベーションによる地域活性化に取り組んでいます。

『地域共創ラボ』の第一歩。2019年度の活動を振り返る

https://nicollap.jp/topics/others/424 より

2019年秋に開設された『地域共創ラボ』は、第一歩目の取り組みとして「イノベーション創出プログラム」を開催しました。プログラム概要や参加者の声を紹介しながら、初年度の『地域共創ラボ』の取り組みを振り返ってみましょう。

『地域共創ラボ』イノベーション創出プログラムとは?

『地域共創ラボ』イノベーション創出プログラムは、「デジタルビジネス・イノベーションセンター」(DBIC)と、DBICのディレクターで「かせぐまちづくり」を提唱する渋谷健氏の支援のもと、開催されました。

半年間にわたるプログラムでは、渋谷氏をはじめとする講師陣にアドバイスをいただきながら、地域課題や事業に関する基礎知識を学び、新しいアイデアを生み出していきます。ただ、イノベーション創出プログラムは、定量的な事業創出スキルを学ぶだけの場ではありません。

  • 「なぜ、あなたはそうなのか?(Why are you so?)」
  • 「あなたは何者なのか?(Who am I?)」
  • 「あなたはどうありたいのか?(How might we?)」

ついつい考え込んでしまうような、こうした問いに答えながら、他の参加者とも対話をしながら、自分のやりたいことを深堀りした上で、事業を創っていくマインドセットを育んでいきます。

概要紹介|イノベーション創出プログラム(2019年度)

2019年度のイノベーション創出プログラムは、2つのStageに分けて開催されました。

誰でも参加できるスタイルで開催した「Stage.1 “話そう”まちの未来」は、仕事・お金・リスク(防災)をテーマに対話するインプットの場、後半戦となる「Stage.2 “描こう”まちの未来」は、参加条件を「全5回に参加できるNICOLLAP会員」と限定し、より高い熱量でワクワクできる事業を共創する場として位置づけられています。

Stage.1 “話そう”まちの未来

第1回(2019年11月20日)【地域と仕事】の未来講師:渋谷 健 氏(フィールド・フロー株式会社)「地域共創ラボ」レポート#1 | Stage-1 第1回 –「地域と仕事」の未来 –
第2回(2019年12月2日)【地域とお金】の未来講師:末吉 隆彦 氏 (クウジット株式会社)「地域共創ラボ」レポート#2 | Stage-1 第2回 –「地域とお金」の未来 –
第3回(2019年12月20日)【地域とリスク】の未来講師:浅野 竜一 氏(株式会社ZOAS)「地域共創ラボ」レポート#3 | Stage-1 第3回 –「地域とリスク(災害)」の未来 –

Stage.2 “描こう”まちの未来

第1回(2020年1月17〜18日)イノベーターズマインド・ブートキャンプ(善光寺ブートキャンプ)「地域共創ラボ」レポート#4 | Stage-2 第1回 –「善光寺ブートキャンプ」
第2回(2020年1月28日)アイディアソン「地域共創ラボ」レポート#5 | Stage-2 第2回 –「アイディアソン」
第3回(2020年2月10日)ハッカソン「地域共創ラボ」レポート#6 | Stage-2 第3回 –「ハッカソン」
第4回(2020年2月25日)マーケソン「地域共創ラボ」レポート#7 | Stage-2 第4回 –「マーケソン」
第5回(2020年3月10日)成果発表会「地域共創ラボ」レポート#8 | Stage-2 第5回 –「成果発表会」

5つの事業アイデアが誕生

半年間のプログラムでは最終的に、

  • AIによる暗黙知の定量化ツール開発
  • Webとリアルの場を活用した寄付プラットフォームの実現
  • 持続可能な地域コミュニティ(=村2.0)アプリをつくる
  • オープンデータを活用した地域共創型の防災マップづくり
  • Webを駆使した地域発信型ハブ事業

といった5つの事業アイデアが誕生しました。どれも講師から「そこに人生をかけているか?」といった問いを投げかけられながら、参加者どうしでフィードバックをし合いながら、繰り返しブラッシュアップされたアイデアです。

https://nicollap.jp/topics/others/398

各チームの発表を受けて、阿部知事からは「人が集まる場を創り、新しいものを生み出しましょう。危機の今こそチャンス。」、NICOLLAPの安藤理事からは「マネタイズが課題。軸足を置きつつ柔軟にピボットしながら事業化を目指してほしい。さらに地域共創ラボがスタートアップを生み出す場になってほしい。」とコメントをいただきました。

発表会当日の様子は、以下の動画でご覧いただけます。

『地域共創ラボ』イノベーション創出プログラム2019

イノベーション創出プログラム参加者の感想

参加した皆さんに「『地域共創ラボ』で何を一番学びましたか?」を尋ねたところ、こんな感想をいただきました。

「Stage.2の第1回目の善光寺ブートキャンプを通じて、本質的な問いやコンダクターシップを学べたことが自分にとっての収穫。仲間や、共感を得られたことも大きい」※コンダクターシップとは、その場に指揮者として立つための在り方(センス、知見、マインド、技術、姿勢などを総合したもの)のこと。
 「ブートキャンプ。他にもマインドセットプログラムは色々あるが、どれも徹底的にやり遂げられない内容だった。ブートキャンプは仲間がいたのも大きい。渋谷さんの問いや一言が重要で、それが無かったら進まない。」 
「ブートキャンプでは自身の目指すことへの落とし込みを学んだ。また、刺激しあえる仲間との出会いを通じ、他の方の視点は刺激になった。」 
※文意を損ねないように配慮した上で、読みやすいように一部編集しています。

2日間にわたって行った「善光寺ブートキャンプ」で徹底的に自分と向き合った経験や、講師・他の参加者からの問いかけが、特に大きな糧になったようです。他の参加者のマインドが変容していく様子が見られた、という感想もありました。

初年度のプログラムは、共感し合える仲間と共に一歩前へと進める場になっていたのではないでしょうか。イノベーション創出プログラムは、今後もさらにブラッシュアップして開催していきます。


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