2020.01.22

「地域共創ラボ」レポート#4 | Stage-2 第1回 –「善光寺ブートキャンプ」

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善光寺大勧進を舞台に地域共創ラボStage.2がスタート。事業者、行政、金融など様々な業種から集まった20名(2日目の一部に阿部守一知事もご参加いただきました!)が、「善光寺ブートキャンプ」と題した2日間のプログラムで徹底的に自分と向き合い、イノベーターとしてのマインドセットの確立に挑みました。

講師は地域共創ラボ全体をプロデュースしている渋谷氏。同氏がこれまで取り組んでいたMITのU理論やイスラエルの認知発達心理学などをベースに、北九州をはじめとする地域で実践してきたイノベーション施策をプログラム化して提供しています。東京のデジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)で大企業のイノベーションチームなどにも提供している内容を、今回長野の歴史と文化の象徴である善光寺で、長野のイノベーターの皆さんに提供することになりました。

あなたは、そしてあなたの大切なひとは“本当の自分の人生”を“豊か”に“幸せ”に過ごし、そしてこれからも過ごしていけますか?

この問いはプログラム全体に渡って問われ続けた根源的な問いです。深い故にすぐには答えることができません。まずは今自分が取り組んでいることについて、次のように問うことから始まりました。

・それは本当に世界に必要か?
・そこに無条件の信頼はあるか?
・そこに自分の存在理由はあるか? 等

しかし、参加者のほとんどがそれら全ての問いに“Yes”と答えることができませんでした。

Why are you so?  〜 なぜ、あなたはそうなのか? 〜

本当の自分を探求するため、自分の内面に徹底的に向き合います。まず今の気持ち、避けたい最悪の状態(ロー・ドリーム)、実現したい状態(ハイ・ドリーム)を書き出します。それらから“結局自分は何をしたいのか?”“なぜそう考えるのか?”などを自分自身に問い続け、その問いに対する体の反応を客観視しながら、少しずつ核心へと探求を進めます。

Who am I? 〜 あなたは何者なのか? 〜

核心へと辿り着くと“最も言われたくないこと”を書き出します。これは自分自身の潜在意識レベルに、自分自身で張ってしまったレッテルです。講師の鋭い指摘に、参加者一同“まいった”様子。しかしこれも自分を理解し、理想とする自分を明確にするために必要なプロセス。“最も言われたくないこと”を明確にすることで、その対極にある“理想とする自分”が鮮明に見えてくるのです。

How might we? 〜 あなたはどうありたいのか?

理想とする自分を明らかにするため、次に“どうありたいのか?”、“〇〇がしたいんじゃないか?”などの前向きな問いを重ね、人形などを使ってイメージを膨らませていきます。具体的なイメージが見えてくると、それはつまり自分が幸せになっている姿なのです。ブートキャンプ開始当初には想像もしなかった自分が求めていた本当の姿に、参加者の顔は自然と明るくなっていきました。

問いは自分の写し鏡

さらに問いの精度と理解度を高めるため、1対多、1対1の対話を行いました。ただし投げかける問いは自己満足的な問いではなく、自分の内面と相手を重ね、自分と相手にとってさらなる探求につながる問いを選びます。そうすることで主観と客観の視点を同時に身につけることができ、より幅広い視点で自分自身に向き合うことができます。このセッションを通して多くの参加者が、自分が気づけていない自分に気づくことができました。

さぁ踏み出そう!あなたが、あなたの周りが幸せになる世界へ!

最後に“全体対全体”の対話を行いました。このセッションでは全体が一つの問い“あなたは、そしてあなたの大切なひとは“本当の自分の人生”を“豊か”に“幸せ”に過ごし、そしてこれからも過ごしていけますか?”に対して、全体に対して一人ずつ問います。しかしその問いに対して答えることはしません。答えはイメージするのみ。そのような難解なセッションに参加者は手探りで問いを重ねていきますが、徐々に一つの答えが見えてきました。それは、“さぁ踏み出そう!あなたが、あなたの周りが幸せになる世界へ!”でした。

前に進む力が湧いた!幸福度が上がった!

セッション終了後のアンケートでは「自分が何者かわかった!」「チャレンジする力が湧いた!」「幸せになりたいというエネルギーはすごい!」などの声が多く上がりました。さらにブートキャンプ開始前と比較した幸福度について、幸福に関わる全ての因子で改善しており、さらに全国平均を上回るほど幸福度が上昇していることが明らかになりました。

これがイノベーターのマインドセットなのです。そしてこのマインドセットがない状態では、IoTやAIを活用しようとしてもただ振り回されるだけで終わり、本質的な価値は創り得ないのです。

次回はアイデアを具体化し、事業のプランニングに向けて更に加速していきます。参加者と一緒に検討に参加いただくオブザーバーとしての参加も受け付けております。

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