2019.12.10

「地域共創ラボ」講師紹介 #3|浅野 竜一 氏 (株式会社ZOAS)

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本当の意味での危機管理とは何か、冷静に、客観的に、共に考えよう!

地域共創ラボStage.1 最終回、第3回講師を担当いただくのは株式会社ZOAS 浅野 竜一氏。過去には警察官、ボディーガード、オリンピックやワールドカップではナイキジャパンの危機管理責任者も務められた浅野氏に、テーマである“「地域とリスク(災害)」の未来”に込めた想いについて伺いました。

危機管理=“危機対応”ではない

多くの方は危機管理のことを、危機が起きた後に対応することと勘違いしています。危機管理とは危機が起きる前に何をすべきか考えることから始まっています。危機が起きないことを願う、危機が起きてから感情的に対応するのではなく、それぞれの立場で何をすべきか、冷静に、客観的に考えることが問われています。

社会として守らなければならない価値とは、なんですか?

危機が起きた時に目の前のことへの対処療法的な対応になってしまうのはなぜでしょうか。それは社会として守らなければならない価値が不明確なことが一因です。その価値をベースにした上で、適切な情報を選択し、客観的に判断し、行動するという基本的なリテラシーを社会全体で高めて行く必要があるのです。

危機管理が持続可能な社会の実現に不可欠

社会として守らなければならない価値が明確になり、それを守ることができれば、自ずと社会は持続的に発展していきます。単一の組織内だけで閉じたりするのではなく、様々な立場の方が集まり、自分事として危機管理を議論し合うことこそが、地域社会での共助の場を形成し、さらに公助の効果を最大化して持続的な社会の創出につながります。

自分たちの地域は自分たちで守るもの

どれほど準備をしていても災害は起きるもので、対応しなければならないこと。地域の個人は企業や行政に要望を上げると共に、自分自身の危機管理能力を高めていくことも必要です。さらには地域の危機管理を牽引するリーダーも必要になります。ワークショップ当日は天気が良ければ外に出て街を歩きます。是非主体的に危機管理ついて考えてみましょう。

— 講師紹介 —

浅野 竜一(あさの りゅういち)
ZOAS株式会社 代表取締役社長

【略歴】
元千葉県警察官。退官後、米国にて警護及びRiskManagement(危機管理)を習得。
警備会社にて都内某企業幹部及び複数の依頼主の身辺警護をへて、1997年より株式会社ナイキジャパン危機管理担当部署設立。(長野オリンピック及び2002ワールドカップ ナイキジャパン危機管理及び警備責任者)
2007年株式会社ZOAS設立。企業危機管理及び官公庁に対してコンサルティングを提供する。自衛隊における海外派遣部隊に対するミッショントレーナー兼演習オブザーバー(評価分析担当)として2007年より技術提供及び訓練作成と指導を実施する国内唯一の民間企業となる。
2012年に一般社団法人「Project72」を発足。東北大との復興先導事業「SENDAI CAMP」の共同開催、国連世界防災会議にて発表した被災訓練CAMPなど、災害時における自助能力向上の訓練を展開。
2016年に博士(経営管理)を取得。危機管理が研究分野。危機管理の5段階並びに危機的状況における心理的作用に焦点をあてた本邦初の論文として博士の学位を取得。現在は、省庁にも危機管理の基本教育も行っている。