2019.11.27

「地域共創ラボ」講師紹介 #2|末吉 隆彦 氏 (クウジット株式会社)

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おカネの貨幣観を見直して持続可能なまちづくりを!

地域共創ラボStage.1 第2回講師を担当いただく クウジット株式会社 末吉 隆彦氏 に、テーマである“「地域とお金」の未来”に込めた想いについて伺いました。

多くの方は“お金”(以降、広義の意味で“おカネ”と表現します)といえば“利益”を思い起こすでしょう。しかしそれはおカネの貨幣観の一側面しか見ていません。異なる貨幣観については後ほど触れるとして、先ずは利益を意味する貨幣観について考えてみましょう。

今まさに貨幣観の転換期を迎えている

グローバルな資本主義において利益最大化が当然のように語られる現代において、その貨幣観を否定する人はいないと思います。しかしその貨幣自体のルーツはどこにあるのでしょうか。実は近年、だれかに何かをしてもらったときに「ありがとう」といって感謝する、その人と人との信頼関係にルーツがあるのではないかと言われています。

感謝と利益の最大化で持続可能なまちづくりを

では「ありがとう」をやみくもに追求すればどうなるか。言うまでもなく、財源が尽きた時点で持続不可能となります。しかし財源を稼ぐことに傾注しすぎると人の心は疲弊します。持続可能な経済活動のためには、感謝と利益のバランスが欠かせません。それは地域の“まちづくり”と同じ構図です。

「エミー」と「ゼニー」のモデルをゲーム型ワークショップで体験

現在我々は感謝最大化のための貨幣観を「エミー」、利益最大化のための貨幣観を「ゼニー」と名付けて、モデル化を試みています。今回のワークショップではゲームを用いて体験いただきます。これはすでに新しい金融教育やイノベーション、まちづくりなどの文脈において活用いただいています。自身のエミーとゼニーの貨幣観の気づきや葛藤についても感じる、考えるデザインになっていますので、まずは楽しんで体験いただければと思います。

エミー&ゼニー研究会 facebookページ: https://www.facebook.com/emmyzeny/

— 講師詳細 —

末吉 隆彦(すえよし たかひこ)
クウジット株式会社 代表取締役社長

【略歴】
1992年、ソニー株式会社入社。2005年、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)リサーチャー。2007年、ソニーCSL初のスピンアウト企業となるクウジット株式会社を設立、人工知能やデータ解析技術を活用した未来予測と因果分析を手掛ける。「笑顔」や「幸せ」といった長期的な社会インラフの追求から、2015年、慶應義塾大学大学院SDM研究所研究員となり、「人を幸せにするおカネ(エミーとゼニー)」など、笑顔とお金に関する共同研究を行っている。2016年から虎ノ門の街づくりを行うグー・チョキ・パートナーズ株式会社、2018年から笑顔づくりの社会装置を手掛けるマイネム株式会社の共同創業者でもある。米国PMI認定Project Management Professional。


【クウジット株式会社】
[空]と[実]をつなぐ技術で人を幸せに社会に貢献することを理念に、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)のメンバーが中心となり、2007年に設立された企業。AIデータ解析、センシング、CPSアプリケーション、IoTハードウェアプロトタイプ開発に強みを持つ。ユーザ体験デザインと技術開発実装の両立に取り組み、博物館での鑑賞体験を豊かにする「トーハクなび」、笑顔を貯める「エミタメ」などでグッドデザイン賞を受賞。