2021.02.10

【2020地域共創ラボ #03レポート】ダークサイドからブライトサイドへ。自分自身の捉え方を変革する

TOPプロジェクト【2020地域共創ラボ #03レポート】ダークサイドからブライトサイドへ。自分自身の捉え方を変革する

2021年1月16日に開催された第3回の地域共創ラボ。今回も「事業脚本家」渋谷健氏のファシリテーションのもと参加者たちがセッションに臨みました。

また、今回は緊急事態宣言が発出された影響もあり、オンラインで実施することに。

イノベーターを支える仲間の重要性

今回は、ビジネス・ラフ・プランとともに事業をつくる仲間を連れて臨んだそれぞれの参加者たち。

なぜ、仲間を連れて参加する機会を設けたのか。その理由を渋谷氏は、下記のように語ります。

「プログラムを経た後、リーダーが覚醒することがあります。そのときに起こりがちなのが孤立。さまざまな状況を見渡せるようになった結果、周囲の環境とのギャップを感じてしまう現象がよく起きます。だからこそ、同じ体験をしている仲間がいることが重要なんです。」

今回はオンラインならではの施策も用意。回答フォームに入力された頻出語を分析し、可視化するツールを用いながら、場を構築していきました。

自分のダークサイドに深く寄り添う

「さまざまなイノベーションやDXの現場を経験してきた中で、シビアな現実を受け入れ切れるかどうかが大きな課題となっている」と語る渋谷氏。そこで、今回のプログラムでは、自分自身の内面にある暗い側面(ダークサイド)、つまり「続かない」「できない」「わからない」「時間がない」「必要がない」……といったさまざまな自分自身の感情に正面から向き合うことを求めました。

そこで、渋谷氏が提示したのはいくつものタフな問い。自分自身が掲げたテーマと厳しい目で照らし合わせることで、参加者たちはともすれば目を背けたくなるような自分自身のダークサイドを見つめていきました。

「1mmも揺らぎがなく、冷静に全体を俯瞰して捉えることができているか?」
「激変する社会の中で貫き通す信念を示していると言えるか?」
「現代社会に通用する戦略方針はまとまっているか?」
さらにそれらの問いに答えた際の、身体の感覚、頭の中、気持ちを言葉にします。

「思わず身体を横に向けてしまった」
「頭の中はモヤモヤしている」
「気持ちはへこんだ」

そんな状態を経験している参加者に対して渋谷氏からさらなる問いが提示されます。

「そんな状態で“誰一人取り残さない”ことを目指す、世界の未来に貢献することはできますか?」

この問いに、思わず「NO」と答える参加者たち。それでは、なぜ「YES」と答えられないのか、日々どんなマインドを持ってテーマに取り組んでいるのか、改めて振り返り一枚の絵に表してメンバー内にシェアしていきました。

こうして情報化された一枚の絵をもとに、自分が属するチームや自身の状況を理解していきます。なぜそのような状況が起きているのか、そこに自分の存在理由はあるのか、全身全霊で取り組めているのか……ひとつひとつの問いに対して答えていく中で内面に向き合っていきます。そして、自分はどんな助けを求めているのか、どんな真のニーズを持っているのか、自分自身の弱さも含めて自分自身の内面をひとつひとつ言葉にしながら、ダークサイドに丁寧に寄り添っていきました。

最終的には、そのようなダークサイドをつくり出している自分自身の囚われ=“無意識の前提(メンタルモデル)”を言語化。

「(自分は)能力がない」
「(自分は)八方美人だ」
「(自分は)理想主義者だ」

など、個々人が思い切って内面をさらけ出します。

ここまで来たところで、そんな自分の「ありのままの全体性」を受け入れるプロセスに。マインドフルネスの手法を用いて、内省を深めました。

ブライトサイドからありのままの全体性を捉え直す

ここまでのシビアな現実を受け入れ切るワークを経て、後半では根源から可能性を創発するプロセスへ。ポジティブな側面(ブライトサイド)から自分を捉え直し、自身が囚われていたメンタルモデルを書き換えていきます。

「名前という鎧すら外した本当の自分自身は何者ですか?」

この問いを起点に、改めてマインドフルネスを用いながら参加者は自分のありのままの全体性の捉え直しを行います。

「自分は、人に支えられる人間だ」
「人に支えられる存在として、自分には価値がある」
「そんな自分は、“人生の意味”を果たしている」
「あらゆる出来事を“人生の財産”にできる」

そんなポジティブな視点でありのままの全体性を捉え直したとき、自分の気持ち、頭の中、身体の感覚はどうなっているのか。

温かい気持ちになり、素直に歩みを進められるイメージが浮かび、身体の中に熱いものが浮かび上がる……そんな自分を発見する参加者も出てきました。

そして、ブライトサイドに立脚しながら前半で歩んできたプロセスをひとつひとつ順を追って塗り替えていきます。

「自分自身が本当に創り出したい未来はどんな未来なのか?」
「自分自身が本当に実現すべきことは何なのか?」
「そこに人生の喜びはあるか?」
「自分自身が本当にできることは何なのか?」
「自分自身が進むべき道は何なのか?」

これらの問いに向き合う過程で、少しずつ自身への認識や当事者としての感情が変容していきます。

「自分が創りたい未来は、精神的・知的・環境的・経済的価値に貢献する可能性がある」
「必要な利害関係者との“阿吽の呼吸”をつくり出せる可能性がある」
「取り繕うことなく“心身とも自分らしく”取り組める」
……

そんな自分の中に浮かんだ世界観をイメージすると、参加者の中で自身がやるべきことや歩むべき道のりが自然と明確化されていきました。

そこで渋谷氏が冒頭で提示した問いと同じ言葉を発します。

「そんな状態でいると、“誰一人取り残さない”ことを目指す、世界の未来に貢献することにつながりそうじゃないですか?」

ダークサイドからブライトサイドへ。
自身の捉え方が変わることでビジネスモデルが強固なものに変わっていく手応えを参加者たちは掴んでいきました。

最後に、今日一日の学びの振り返りを実施。
“ひと”“組織”“事業”の観点で、未来像や取り組むべき課題などを書き出したり、全体を通して得た気づきなどをグループ内でシェアしていきました。

これにて、第3回目の地域共創ラボは終了。

第4回目は、いよいよビジネスプランをつくり上げ、全体に向けてプレゼンテーションを行う場を用意。イノベーターとしての歩みを少しずつ本格化させていきます。